はじめに
データ分析を行う際、欠損値(NaN: Not a Number)の適切な処理は非常に重要です。pandasライブラリでは、欠損値を効率的に処理するための様々な機能が提供されています。このページでは、欠損値の検出方法、除外方法、置換方法について詳しく解説します。
解説
モジュールのインポート
NaNを含むDataFrameの作成
NaNがTrueとなるisnull()
isnullにより、NaNの部分がTrueとなったbool型の配列が得られます。
NaNがFalseとなるnotnull()
notnull()はisnull()の逆で、NaNの部分がFalseとなったbool型の配列が得られます。
NaNを除外するdropna()
dropna()メソッドを使用することで、NaNを含む行を除外した新しいDataFrameを取得できます。
dropna()メソッドでaxis=1またはaxis=’columns’を指定することで、NaNを含む列を除外できます。
how='all'
により、全てNaNの行だけ除外されます。
NaNに値を代入するfillna()
.fillna(#)の#にNaNの代わりに使用したい数値を入れると、NaNがその指定した数値に置換された配列が得られます。
ひとつ前の要素を代入するffill
ffillはforward-fillの略で、NaNのひとつ前の要素が代入されます。
ひとつ後の要素を代入するbfill
bfillはback-fillの略でひとつ後の要素が代入されます。
axis=1を指定すると列方向のひとつ後の要素が代入されます。ffillとbfillは、それぞれ前後の要素がNaNの場合、値はNaNのままとなります。
まとめ
pandasにおける欠損値処理の主な方法は以下の通りです:
- 欠損値の検出:
isnull()
,isna()
- 欠損値の除外:
dropna()
- 欠損値の置換:
fillna()
- 高度な欠損値処理: scikit-learnの
SimpleImputer
など
適切な欠損値処理はデータ分析の精度を大きく左右します。データの性質や分析の目的に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。
また、実際のデータ分析プロジェクトでは、これらの方法を組み合わせて使用することが一般的です。例えば、まず欠損値が多すぎる列を削除し、その後で残りの欠損値を適切な値で置換するといった流れです。
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