[matplotlib] 47. np.nanでデータの一部を非表示にする方法

matplotlib

はじめに

データ可視化において、欠損値や特定の条件下でデータを非表示にしたいケースがあります。matplotlibでグラフを描画する際、NumPyのnp.nan(Not a Number)を活用することで、データの一部を効果的に非表示にできます。

np.nanの基本概念

np.nanはNumPyにおける欠損値を表す特殊な値です。matplotlibはこの値をプロットする際に自動的にスキップするため、グラフ上で表示されません。これを利用して、データの特定部分だけを選択的に表示することができます。

コード

解説

モジュールのインポート

バージョン

データの生成

x[45:56]に該当する部分をnp..nanでnanにします。

上のグラフの設定

中央部分が非表示になっていることがわかります。

下のグラフの設定

データの両端をnanとすることでグラフの両端部分が消えていることが確認できます。

3次元データの場合

サンプルデータ

以下のデータを用います。imshowで表示すると下記のようになります。

Z[Z<0] = np.nanとした場合

Z[Z>0] = np.nanとした場合

コードをダウンロード(.pyファイル)

コードをダウンロード(.ipynbファイル)

活用シーン

  • 異常値の除外: 測定ミスや外れ値をnp.nanで置き換えて、正常なデータのみを表示
  • 条件付きデータの可視化: 特定の条件を満たすデータポイントのみを表示
  • 複数データセットの比較: 異なるデータセットで欠損している部分を適切に処理
  • 時系列データの不連続点の表現: データが存在しない期間を自然に表示

注意点

np.nanを使用する際の注意点として、以下が挙げられます:

  • 統計計算時にはnp.nanmean()np.nansum()などの専用関数を使用して欠損値を適切に処理する必要があります
  • 大量のデータ点でnp.nanを使用すると、メモリ使用量やパフォーマンスに影響を与える可能性があります
  • 凡例や注釈で欠損値の存在を明示することで、誤解を防ぐことができます
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まとめ

np.nanを活用することで、matplotlibのグラフにおいて特定のデータポイントを選択的に非表示にできます。これにより、データの特定部分だけに焦点を当てた可視化や、欠損値を含むデータセットの適切な表現が可能になります。データ分析やレポート作成において、この手法は非常に役立つツールとなるでしょう。

参考

Nan Test — Matplotlib 3.1.2 documentation

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