はじめに
この記事では、matplotlib の patches.Annulus クラスを使用して、グラフに円環や楕円環を追加する方法を詳しく解説します。データ可視化において、特定の領域を強調したり、視覚的な要素を追加したりする際に非常に役立つテクニックです。
コード&解説
モジュールのインポート
バージョン
円環の作成
matplotlib 3.5から追加されたAnnulusクラスを使用して円環を設定できます。patches.Annulusクラスでは、以下のパラメータを調整できます:
パラメータ | 説明 |
---|---|
xy | 円環の中心座標(x, y) |
width | 円環の外径(x方向) |
height | 円環の外径(y方向)、省略時はwidthと同じ |
inner_radius | 内側の半径 |
angle | 楕円の回転角度(度数法) |
color | 円環の色 |
alpha | 透明度(0~1) |
cir_1の場合、(0, 0)は中心の座標、その次の1は円の半径(radius)、0.05は幅(width)で円環の厚みを表します。cir_2とcir_3には、radiusとwidthが異なる円環を作成しました。
円環の表示
ax.add_patch(cir_1)を使用して、円環を図中に表示します。cir_1は青色、cir_2はオレンジ色、cir_3は緑色の円環として表示されます。

楕円環の作成
ell_1の場合、(0.5, 0.5)は中心の座標、その次の(0.5, 0.25)は楕円の長軸と短軸の長さ、0.1は幅(width)で円環の厚みを表します。ell_2には楕円の長軸と短軸の長さを(0.25, 0.5)とした楕円環を作成し、ell_3には中心を(0, -0.5)としたell_1と同じ形状の楕円環を45°回転させたものを作成しました。
楕円環の表示
ax.add_patch(ell_1)を使用して楕円環を図中に表示します。ell_1は青色、ell_2はオレンジ色、ell_3は緑色の楕円環として表示されます。

円環、楕円環をまとめて表示
上の二つの図をまとめて表示すると以下のようになります。

参考
matplotlib.patches.Annulus — Matplotlib 3.10.5 documentation
コメント