はじめに
matplotlib の 3D アニメーションで軌跡を表示するには、以前のフレームのマーカー位置を保持し、それらを各フレームで再描画する必要があります。この手法により、オブジェクトの動きの履歴を視覚的に追跡できます。
コード
解説
モジュールのインポート
バージョン
データの生成
データは下記記事と同様に、グルグルと回転するデータを使用しています。上から下に表示させるため、[::-1]でデータを逆順に変換しています。

figの作成と空データのプロット
まず3Dグラフを作成し、空のデータで5つの3Dプロットを配置します。このプロットに後からデータを流し込み、アニメーション表示させます。
各軸の表示範囲を適切に調整して、プロットが視界内に収まるようにしておきます。
アニメーションの初期設定
returnでアニメーション表示するplotを返しておきます。
アニメーションの設定
プロットの透明度を先頭から最後にかけて徐々に変化させることで、流れるような自然なアニメーション効果を作成できます。位置の設定は、x軸とy軸はset_data関数で、z軸はset_3d_properties関数で行います。透明度はset_alpha関数で調整します。最後にreturn文でアニメーションする変数を返すことを忘れないようにしましょう。
アニメーションの表示
FuncAnimationを使用してアニメーションを表示します。
96という値は、update(i)のアニメーション関数を0から95まで実行することを意味します。intervalはupdate関数の実行間隔を指定するパラメータで、この例では100ミリ秒ごとにプロットが更新されるアニメーションが生成されます。Jupyter Notebook上でアニメーションを表示したい場合は、HTML(ani.to_html5_video())と記述するだけで簡単に実現できます。
コードをダウンロード(.pyファイル) コードをダウンロード(.ipynbファイル)実装上の注意点
3Dアニメーションの軌跡表示を実装する際には、以下の点に注意しましょう:
- メモリ使用量:長時間のアニメーションでは、すべての軌跡を保持するとメモリ使用量が増大します。必要に応じて軌跡の長さを制限しましょう。
- 描画速度:多数の点を表示すると描画速度が低下する可能性があります。
blit=True
オプションを使用して効率化しましょう。 - 視点の設定:3D空間での軌跡は視点によって見え方が大きく変わります。
view_init()
メソッドを使って最適な視点を設定しましょう。
まとめ
3Dグラフ上でアニメーションの軌跡を表示することで、動きの文脈をより直感的に理解できるようになります。この手法はデータ可視化だけでなく、物理シミュレーションや軌道計算など、様々な分野で活用できます。
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